MicroSoftの製品は常に進化していきます。
それは大変素晴らしいことだと思いますし、その姿勢には敬意を表します。
ただ、毎度困るのは操作性が一新してしまうことですね。この辺りは国民性も関係してくることかもしれませんし、日本人は保守的なのかもしれませんが、大幅な操作方法の変更というのには慣れていない方が多いと思います。基本的に、日本で作るソフトウェアはバージョンアップしても従来の操作性や機能は保持させるという伝統があります。
例えば、Windows8で消えた「スタートボタン」。これはうまくない見本のようなものですね。開発者としてはこれまでのコンセプトとは大幅に異なる操作性の実現、ということだと思いますが、新しいPCを購入してきて、いきなり使うことができませんでした、という方が実に多いですし、実際どのような操作をしたら簡単にコントロールパネルが表示されるのか悩みます。ノートPCやタブレットを意識しての操作性の変革なのでしょうが、デスクトップ機を使用する場合は、特にディスプレイが大型化してきており、「スタートボタン」からの操作なしでは目が回ってしまいます。
良くしたもので、Smart Menu 8なるフリーソフトをインストールすると、スタートボタン・スタートメニューが追加され、大変快適に操作することができるようになります。Windows XPの時は「スタート」と書かれたボタンがあって、「スタートボタンをクリックして…」とお話しすれば、皆さんすぐに分かってもらえましたが、その後それも丸いアイコンになって、この時でも「どうして使うかわからない」という声が多かったと記憶しています。基本的にWindows8のタイルインタフェースは特にデスクトップ機では使いづらいですね。Windows 8.1ではスタートボタンのような機能が復活するという噂ですが、それでもスタートメニューはないようですね。
お客様がWindows 8のPCを購入されました。そのときOutlookExpressのアドレス帳をWindows Live メールに移し替えてもらったのだそうです。ところがWindows Live メールが使いづらい。私もWindows Live メールは途中で使えないと判断しましたが、このお客様もそのように感じられました。見るとOutlook2013がインストールされています。それではと、Windows Live メールの連絡先をOutlook2013に移行させようと思ったら、これがとんでもなく簡単にはいきません。これまでの簡単なインポート機能が廃止されていたのですね。64ビット版のOutlook2013への移行は出来ないようです。32ビット版では一応はできます[32ビット版のOutlook2013への連絡先の移行]が、Excelを介すというロングストーリーになっています。
Windows Vistaが出たばかりの頃、すぐに購入してしまい、Windowsの操作もOffice2007の操作もどうしていいかわからなくなって、それぞれ相当に分厚いマニュアルを購入されたお客様がいましたが、それを見るだけで溜息を付いておられたのを思い出します。