EC-CUBEをカスタマイズする機会があり、これは記録に残しておいたほうがいいと思いました。システムが継ぎ足されて機能追加されているようで、例えば管理機能では、商品管理と会員管理とではClassの構造も異なっているみたいです。カスタマイズはPHPで行うことを前提としますが、EC-CUBE内で行うケースと、PHPExcelやtcpdfなどのライブラリを使うためEC-CUBEから外に出したアドオン開発の必要があるケースにも及ぶことを想定します。
それでは、最初にインストールから参りましょう。
ダウンロード
EC-CUBEのダウンロードサイトからzipファイルをダウンロードして解凍します。
バージョンがeccube-2.13.2であれば右図のようにいくつものディレクトリとファイルが展開されます。このうちアップロードするのはdataとhtmlの2つのディレクトリだけです。
インストールの前に決めておくこと
インストールする前に、以下の項目を決めておきます。
店名 | お店の名前です。後で管理画面から変更できます。 |
メールアドレス | お客様が買物をした時などにメールが送られてきます。 |
ログインID | 管理画面のログインID(初期値)管理画面で追加修正できますが、インストール完了後すぐに使用しますので控えておいたほうがいいです。 |
パスワード | 管理画面のパスワード(初期値)管理画面で修正できますが、インストール完了後すぐに使用しますので控えておいたほうがいいです。 |
データベースの種類 | PostgreSQL か MySQL あらかじめインストールし、PHPで使用できるようにしておく必要があります。 また、phpPgAdminかphpMyAdminもインストールしておいたほうが便利です。 |
データベース名 | eccube_db(初期値)あらかじめ作成しておきます。 |
データベースのユーザー名 | eccube_db_user(初期値)あらかじめ作成しておきます。 |
ユーザーのパスワード |
データベースの種類ですが、カスタマイズを前提としていますので、ライセンスの違いから私はPostgreSQLを選択しています。PostgreSQLはBSDライセンスですが、MySQLはGPLライセンスです。カスタマイズ部分を配布しないのであれば問題はないとしても、著作権者がOracle社だということで生理的な不安感がある、という程度のことですが。
サーバーへアップロード
htmlとdataディレクトリをドキュメントルートにアップするわけですが、通常通りアップすると、インストールした時にディレクトリやファイルのパーミッションをいくつも変更してやる必要があり、これは実に時間と手間がかかることになります。
これを解決してくれる情報が下街ぶろぐ(東京下街タウン情報)に書かれています。これは大変に助かります。ぜひご参照下さい。
上記サイトではFFFTPを使用して、アップロード時のオプション設定によりディレクトリ単位でパーミッションの設定を予め行っておく、という方法が紹介されています。そのため、サーバーにはvsftpdなどをインストールしておく必要があります。この設定でhtmlとdataをアップします。
PHPExcelやtcpdfなどを使用するためアドオンによるカスタマイズを行う場合、その部分をhtmlディレクトリ内に配置してEC-CUBEのカスタマイズと分けることを想定し、htmlおよびdataの各フォルダごとアップロードすることにいたします。ドキュメントルートの下にhtmlやdataというディレクトリが入りますので、Apacheのエイリアス設定をした方がいいでしょう。
ドメインがhogehoge.jp、ルートディレクトリが/home/ec_testであればhttpd.confに例えば以下の様なエイリアスが切られていることを前提として、書き進めていきます。
Alias /ec_test/ “/home/ec_test/html/”
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